せいきまつなしゃべり

このブログは、社会から遮断された生活を送ってきたアウタサイダー達へ送る 厳しさや社会での生き方のノウハウを愚民である私がレクチャーする日記です。今日も明日も割り箸の一本でカレーライスを食べたいです。そんな生活が出来ているあなたはどうぞこのブログからは回れ右してください。肉体労働者、SNS皆無者、チーマー、カラーギャング、砂糖と塩の区別がつかない若者達へ送るレクイエムです。

綿毛は俺にとって

 

後部座席

チャイルドシートの横で子供より先に

寝てしまう

そんなクソ人間は、俺

 

急ブレーキの振動で

俺は目を覚ました

「おこすなや」

 

直ぐに開けた瞼を

重々しく閉じようとしている

数秒の間

 

 

なにが起きたか

 

道路に転がる俺。

 

しっかりと目を開けた時には、

目の前を走り去るさっきまで乗っていた

 

俺が乗っていた

あの車

 

車内から飛び出してしまうほどの自然現象

 

台風でもぶちあったのか?

 

俺は、腕や足の擦り傷に指先を触れされ

 

一連の出来事を推理していた。

 

幸いにも路肩に投げだされたようで

 

後方車、行き交う車の

障害物には

 

俺はなっては、居なかった。

 

ちゃんと、人間をしていた。

 

今はそんなことは、どうでもいい!!!

 

ここは、どこなんだ。

 

俺は、極度の方向音痴

 

自分が投げ飛ばされた場所

 

ここがどこが皆目検討ついていなかった。

 

俺は、痛い身体をゆっくり動かし

デニムのポケットに手を突っ込んだ

 

何も入ってない。

 

スマホさえあれば

 

解決策も思いつくだろうに

 

突っ込んだ手をゆっくりと地上に出して

 

指先を見ると

 

デニム地の繊維のカスが、爪に

弱々しくヒョロヒョロと挟まっていた。

 

こんな事がなければ

俺は、ポケットの中に手を入れた時に

たまに出てくる

 

ヒョロヒョロの繊維に思いふける事もないだろう。

 

スマホが無かった

事よりも

 

俺は、じっと指先のヒョロヒョロを眺めながら

ボーーーーーっとしていた。

 

スマホや財布

 

出かける時に持ってきた所持品は

全部、車に残されている。

 

普段からポケットの中身を車に置く癖がある。

 

俺、だけが外へと放り出されたんだな。

 

しばらく眺めていたヒョロヒョロの繊維を

俺は、たんぽぽの綿毛のように

息を吹きかけて

「助けて」

と願いを込めて宙に飛ばした。

 

 

 

「大丈夫だよ」

 

先程飛んでいった綿毛達が

光を帯びて1つの大きな塊となって

俺の前に舞い戻ってきた。

 

真っ暗な世界に一筋の光明

 

まだまだ俺は、こっから這い上がれる。

 

「家に帰るまでの道標になるね」

 

綿毛は、俺にそう言いながら

眼の前を飛ぶ座標

 

いや

 

このままここで生涯を絶とうとしている

俺に命綱を差し出してくれた

救世主と呼ぶことにしたい。

 

ありがとう、ありがとう、、

俺は、この恩だけはゼッてぇ

返すと心に近い綿毛についていった。

 

〜ニッチモサッチモ