せいきまつなしゃべり

このブログは、社会から遮断された生活を送ってきたアウタサイダー達へ送る 厳しさや社会での生き方のノウハウを愚民である私がレクチャーする日記です。今日も明日も割り箸の一本でカレーライスを食べたいです。そんな生活が出来ているあなたはどうぞこのブログからは回れ右してください。肉体労働者、SNS皆無者、チーマー、カラーギャング、砂糖と塩の区別がつかない若者達へ送るレクイエムです。

嘘か真か 10話

 

またもコカと生活を続ける事になったワキボウズは、

どうやって復讐をするか模索していた。

 

ただ、協力はしてくれると言ったコカであったが

一向にそんな話をしてくることもないし

 

俺が、そのような類の事を話すと

 

熟年夫婦みたく適当にかわされる。

 

にしても、このままでは一向に俺の目的が果たせない。

 

「コカ、そーいえば俺のスマホになんか来ていない?」

 

来てたよ、ラインが来てるよ

ちなみに昨日もなんか通知きてたよ。

みたい?

みたい?

 

みたいもクソも本来ワキボウズの物である。

 

「見せてくれるの?」

 

みたい?

みたい?

 

「見たいです」

 

はじめっからそう言えばいいのに

 

まるで熟年夫婦の奥さんみたいにめんどくさい人やり取りをかましてきた。

 

はいよ! と、すっごい勢いでワキボウズへコカはスマホを投げた。

 

ホームレス界のしょうへい☆おおたに

 

「あ、ありがとう」

 

数ヶ月ぶりに自分のスマホの画面を見てみると

 

見たこともない自分が設定していない

ブロンズヘアーのバービー人形が待ち受けに変えられていた。

 

そしてなによりちょっと臭いスマホ

 

そんなことはどうでもいい

 

LINEのトーク画面を開いた。

 

兄弟から何やら届いている

 

「おい!くそ坊主!!両親も身内も全員お前のこと探してるからな!ワキガマンのスマホもってるだろ!ずっと既読ついてるの知ってるからな!あと、あれだ絶対にモンパチのアルバムは、くそ坊主お前が買ってこいよ!メッセージってタイトルだからな!!ぶち☆※こ✕。。。」

と、

 

同じ文面がもう1ヶ月前から

1日毎に送られて来ている。

 

両親からも

「どういうことですかこれは?息子はちゃんと死んでますよね?お金も渡したのに」

と、これはほぼ毎日こんな感じで両親から届いていた。

 

コカは、「はい!終わり!3分経過〜没収〜」

 

と、ワキボウズからスマホをほぼ強引に取り上げた

その際に、スマホが天井のブルーシートの屋根を突き破り飛んでいってしまったが

天から垂直にスピードをつけて落ちてきたスマホは、コカの頭に突き刺さった。

 

あまりの勢いにコカの頭から血がブシュブシュと

花火のように吹き出た。

 

コカは笑っている

 

「キレイっしょ何年ぶりだろ!は!な!び!」

 

直ぐ様、コカの前から立ち去りたい気持ちが押し寄せ

ワキボウズは、血を止めるもの探してくる

とテントから出た

 

一歩出てテント内のコカの方へ振り返ると

スマホが頭に突き刺さったコカが

ゆっくりとこっちへ近づいて来ていた

 

「また逃げる?」「これ、とってくんない?」

 

と、俺は逃げることを辞めて素直に

コカの頭からスマホ

幼少期のゼルダの剣を引き抜く様に力任せに

ぶち引っこ抜いた。

 

血だらけのスマホを手に入れた

 

「ありがとう、はい返して」

 

と、コカは頭にダンボールを巻いて止血した。

 

眼の前の現状に吐きそうになりながらも

俺は、冷静さを保ち

身内からのLINEの内容について考えた。

 

まず、モンパチのアルバムは、流石にしつこい

兄弟からの連絡は

うん、そのうちぶちのめしにいくから

ほっておこう。

 

両親からについても

金じゃなくてチョコ小判だったじゃねぇか

 

息子を殺しきれてないかもしれないという

訳分からん恐怖心抱いてるだろう

文面だった。

 

これも暫く放置することで

恐怖心を助長させる手になるだろうと

ワキボウズは、これもまた

暫く無視をすることにした。

 

コカは、ワキボウズに

「ちなみにだけどこいつらに返信したら駄目?」

 

だめに決まってるだろ

 

どーゆう神経してんだこいつわ

 

「まだ駄目、取り敢えず無視をしといて」

とワキボウズは、今後

連絡が来ても勝手に返信しないこと

後、さっきみたいな内容以外の連絡があれば

教えて欲しいとコカにお願いをした。

 

「もちろんっしょ」

 

と、コカは一様納得してくれた。

 

実際問題、自分たちの姿は

誰にも見えないから

どんな手でも復讐が出来る筈だか

その事に気づける脳みそは

二人として持ち合わせていなかったのである。

 

コカは、そろそろ仕事に行ってくる

とテントを後にした。

 

コカが、仕事へ行ってる間

ワキボウズは、血だらけになった

ブルーシートテントの掃除を

自分の意志ですることにした。

 

ついでに気味が悪いバービー人形の右足も

どうせなら捨ててしまおうか

なんて考えることはせず

 

コカの血飛沫を浴びた天井、床、壁を

その辺の落ちているTシャツで拭いた。

 

いくらここにバービー人形の右足が置いてあるからといって

 

いつまでホームレス気分でコカは、過ごしているんだろう

 

御霊であれば、他の人間の体内へ入り込んで

もっとマシな処を住処にしてくれないか

 

とは、思った。

 

ワキボウズは、掃除をしていると

誤ってバービー人形を踏んでしまった

 

痛い!やめて!

 

何やら足元から声がする。

 

足どけて!

 

おいおい、嘘だろ、幻聴か?

それとも、

 

まさかなぁ

 

そのまさかであった、

ワキボウズの足元から声がするのは

バービー人形の右足からであった。

 

ワキボウズは、驚きおののき

足元のバービー人形の右足を手に取った。

 

「あんた、いつまでここにいるの?」

 

バービー人形の右足は、ワキボウズへそう話しかける。

 

現状を理解出来ないワキボウズは、

聞こえていないフリをした。

 

「ねぇ、聞こえてるんでしょ、ねぇってば、あの変態、どうにかしてよ」

 

「おぃ!ハゲ!!あんたに言ってんだよ!坊主ハゲ〜!!」

 

 

うるせぇ小娘だ

 

ワキボウズは、話を掛けてくるバービー人形の右足を床におもいっきり叩きつけた

 

 

お前の出番なんかつくれっか!!

と言わんばかり全力で叩きつけた!!!

 

「いったーーぃぁぁぁいきもぢぃぃいいいい」

 

どうやらバービー人形の右足は、すごくドM体質らしい

 

現に右足がちょっと湿っている。

 

ワキボウズは、吐き気を催し

それを飲み込んで臭いゲップをした。

 

バービー人形の右足の話を聞いてみることにした。

 

「コカが帰って来る前にあんたこっから出ていった方がいいわよ それより私も連れてって じゃないと コカに成仏させられるわよ」

 

と何やら助言をくれた。

 

どういうこと?

 

「コカが、言ってたあの話全部嘘だよ ってか、信じてたの?

バービー人形が好きとか 口にして死んでしまったとか あれ、全部嘘に決まってるわよ 

私以外の残りのそこらへんのバービー人形の右足は、全てゴミみたいなもんなのよ 

私は、元ここの住人の男の嫁だったのよ 

コカに殺されて成仏出来ずにこのバービー人形の右足に入り込んでんの!」

 

と、何やらすっごい裏情報を教えてくれた

 

バービー人形の右足に入り込んだのは、

ここの元住人の奥さん

名はマヤと言うらしい

 

1年前くらいに突如、コカがここを訪れ

マヤの旦那、つまり今のコカの身体の

持ち主と一緒に

コカの手によって二人共殺されてしまったとのこと。

あと、コカにはマヤの声が聞こえないらしい。

 

どうやらマヤはすごくコカに憎しみを抱いており

御霊になる時に

殺した相手には声や姿、存在が判らない様に

願ったとの事。

 

そんなこと出来たんだね。

 

これも初めての情報

 

コカが、そうとうやばいやつっては、今日の出来事でも分かるが

以前にもまして増幅するコカに対する

不信が生まれた。

 

何が真実で何が嘘か

ワキボウズには、判らないが

とにかくコカには、心を全て許さないでおこうと誓った。

 

「わかった、一様信じる。マヤのこと。災難だったね。」

 

マヤは、すすり泣きだした。

 

そりゃそうだ

 

最愛である自分の夫を殺されて

自分自身も殺され

やっとやってきた自分の声が伝わるワキボウズに

思いを伝えれて

さぞ辛かったであろう。

 

無礼ながらワキボウズは、マヤに

 

「ちなみになんで殺されたの?コカに」

 

 

「あんた、本当、失礼よね。

私にもわからないけど 

急にやってきて傘で何度も旦那の身体の骨が折れるまで突き刺さしてきたんだよ 笑いながら 旦那は即死だった、私は、何度も小指を舐められて逃げる事を羽交い締めにされて12時間舐められ続けて最後はコカに、シンプルに顔面を殴られ殺されたんだよ あんな恐ろしい人間!思い出しただけで、、、、」

 

バービー人形の右足は、少し身体を震わせるかのごとくプルプルしながら

自分の死に様にを教えてくれた。

 

ワキボウズは、深くため息を吐き

 

バービー人形の右足のマヤを

強く抱きしめた。

 

そして、コカの帰りを待つ。