連日連夜、休みのないこの生活。
久しぶりの休みをもらった。
そうだ、今日はローランドの見た目を重視することを目標に
メンエスへ通った。
歌舞伎町界隈には、ホストの見た目をアップさせるためにメンズエステが、ちらほらある。
入店すると受付の女が、
「ぎゃぁぁぁぁ!!蜘蛛だ!!!」
そうだ忘れていた。
俺は、ホストクラブで働いているが
人間の生活に溶け込めるような見た目をしていない。
すぐに店を出て、ローランドへ電話をした。
入店できない旨を話すと
「もう一度同じ店に入ってみろ」
何言ってんだこの人、ふざけるのもいい加減にしろ。
恐る恐る、ドアを開けると
先程の女が受付に居ない。
まさか、ローランド!あの女をどこかに葬ったのか!
いゃ違う 俺の足元から声がする
「先程は、申し訳御座いません!!ローランド様のお店でホストを、やっている咲夜様ですよね!!どうぞ中へお入り下さい!!」
さっきとは打って変わって態度が180度違うこの女は、どうしたのか。
ローランドの名前を聞いただけでこの街では我が物顔で歩ける事をこのとき
俺は知った。
早速、指定されたリクライニングチェアへ腰をかける
俺は蜘蛛である。
ベットにあお向けになるようにした。
「お任せで」
もちろんメンエスなんて来たことはない。
お任せ一択にかぎる。
「分かりました。お任せですね?一応なんですが、今の見た目が蜘蛛ですが、、、人間に戻りますか?それともローランド様のように犬をお選びですか?」
よく喋る女だな。
人間、、に、、も、ど?る!!?
犬になれる!!??!
待て!待ってくれ俺は、人間からボール
ボールから蜘蛛になった生き物
こんな容易い選択で容姿を選んでいいものなのか!?
今までの苦労は、なんだったんだ。
迷わず「人間で」
ちょっといぶし銀の人間で
と伝えた。