せいきまつなしゃべり

このブログは、社会から遮断された生活を送ってきたアウタサイダー達へ送る 厳しさや社会での生き方のノウハウを愚民である私がレクチャーする日記です。今日も明日も割り箸の一本でカレーライスを食べたいです。そんな生活が出来ているあなたはどうぞこのブログからは回れ右してください。肉体労働者、SNS皆無者、チーマー、カラーギャング、砂糖と塩の区別がつかない若者達へ送るレクイエムです。

マヤの存在 11話

 

時刻は16時

いつもの時間にコカは帰ってきた。

 

なにやら

今日はいつもと違う

 

友達連れてきた

 

と、どこからか犬を拾ってきたそうだ。

 

「えーかわいいー」

 

ワキボウズは、先程までのマヤの話を脳裏に浮かべながら

コカが、連れて帰ってきた犬に近づいた。

 

「犬すきっしょ!こいつたべ こいつかわいいっしょ」

 

耳を疑った。

 

一瞬聞こえた

たべ がすんごく気になった。

 

足元のマヤが

「ちょうやばい絶対食ってるわこいつ」

 

と、ワキボウズにしか聞こえないから

コカの前だからと気にせず話している。

 

ワキボウズは、もちろん何も聞こえないフリをした。

 

「その子、飼うの?」と

 

苦い顔を浮かべながら

 

「いゃぁそろそろ引っ越しかなって思って」

 

あぁ流石にホームレス生活から脱却するんだ

 

よかったこんな臭い所、早く出たかったし

 

ワキボウズは、少し楽しみにしていた。

 

マヤ「だぶん、、意味ちがう。」

 

マヤはこの発言後、声を発する事を抑えた。

 

コカは、引っ越しかなぁ

と言う割には荷物を詰めたり荷造りを一向にしない為、

 

「いつぐらいに引っ越すの?もちろん手伝うよ!」

 

と、なるべく早くここから出たいワキボウズは、

前のめりでコカにそう話す。

 

 

「ん?荷造り?なんのこと?」

 

は?

自分の発言ぐらい責任を持て

 

そうこうしていると

連れて来られた犬がギャンギャンと

コカの方を向いて吠えている。

 

ワキボウズは、犬が吠えている内に

床に転がっているマヤに

コカに聞こえない小さな声で

「マヤ、マヤ、!引っ越ししなさそうだよ!マヤ!」

 

マヤは、数分経ってから

「あんた、犬になれる?」

 

と、意味深な返答をした。

 

吠え続ける犬を、コカは強引に頭を掴み

ワキボウズの近くへ連れてきた。

 

ワキボウズは、今から発する

コカの言葉に

絶句した。

 

 

 

「はい!ワキボウズ!新しい引っ越し先!!」

 

ワキボウズは、絶句した。

 

マヤの言っていた事を思い出した。

 

そうこうしている間にもコカは、ワキボウズの顔に犬をグイグイ

近づけてくる

 

咄嗟に危険を感じた俺は、

この時、とんでもない事を口にした。

 

「待って!待って!!俺より適した御霊が居る!!床に居るから!!!マヤァァァァァ!!!」

 

コカは、一度犬を床に落とし

「マヤって誰?」冷静に床を見ながら発した。

 

ワキ「そこのバービー人形の右足!!実は!」

 

マヤ「ちょっとアンタ!おいハゲ!!あんた!!」

 

コカ「バービー人形の右足?これか?」

 

コカは、マヤが宿しているバービー人形の右足を手に取り

じっくりと見つめた。

 

ワキ「そう!それ!そこにマヤって言う御霊が侵入している!」

 

コカ「マヤ???マヤは、、たしか、、俺が小指をを、、、これ、マヤ入ってんの?!?!?ええええ???ええええ!!!」

 

マヤ「やりやがったなこのハゲ。。」

 

どうしても犬にはなりたく無かったワキボウズは、

コカにマヤの存在を明かし

信じて欲しいからとコカが仕事に行っている間の出来事を

一語一句抜けがない程に全てを話した。

 

マヤ「コカよりアンタが一番コワイ」

 

コカ「そうだったんだ。マヤが生きてたんだ。こんな動けもしないようなものに入ってしまって それより、俺がここで起こした事も全て知ったんだな?」

 

ワキ「あっ、、、う、、うん。」

 

マヤ「バカ正直に全部話してんじゃね〜よ」

 

コカ「んまぁいいさ、いずれバレる事だし。それよりマヤ、、この際だから、、犬じゃなくて、また人間に入りたい?いゃ人間に入れよう!!」

 

ワキ「マヤ!よかったね!!動けるよ!人間に入れたら動けるって」

 

この時、ワキボウズは

身売りしたくせに都合のいいことばかり話していた。

 

マヤ「人間になってもコカには、姿が見えないから別にいいんだけど、、、、」

 

コカは、連れてきた犬を用が亡くなった為、

晩御飯として食っていた。

 

マヤ「犬食うやつと、薄情ハゲ、二人共呪う」

 

とマヤは心に誓った。

 

ワキボウズは、犬を食べているコカを前にしても

自然と違和感を感じていなかった。

 

またしても、コカが放つ悪臭による

トリップのせいなのか

ワキボウズは、正常な判断が出来ないでいた。

 

犬を食べ終えたコカは

マヤが間借りしているバービー人形の右足を

ネックレスにして

首に身に着けてテントから出ていった。

 

そんな事もつゆ知らずワキボウズは、コカが食べ残した犬の骨をむしゃぶりつきながら

アヘアヘと不敵に笑っていた。

 

マヤ「ハゲ!!正気に戻れハゲ!!!」