緑のオトコ、アキトシに助言された通り
俺たちは再びローランドの元へ戻ることとなった。
出発の際にアキトシからヘソの毛を一本ずつもらった。
数分感、姿を消せるスキルつきのヘソの毛。
たんとジップロックで密封し懐に納めた。
ほんの少しのアキトシからの優しさだった。
お世話になったローランドに俺達が始末したと気付かれないようにと。
デスペラーダを後にしスプチューバへ急いだ。
「いいか、店の前でアキトシから貰った毛を一気飲みするぞ。俺が息の根を止めてからいつもどおりボールに丸める。
お前はボールになったローランドをおもいっきり遠くに蹴ってくれ。
大丈夫、一瞬で済ます。
俺も辛いが情を出すなよ。気付かれたら全て終わりだ。」
まて、まってくれ
手順は分かった。
ヘソの毛を飲み込むって
アキトシの毛?ふざけるな。
どうやら持っているだけでは、効果を発揮しない。
「さぁ着いたぞ、飲み込むんだ。。」
二人で、飲み込んだ。
自分たちでは透明になったかわからないがドア前のガラスに姿が写っていないことを確認した。
ゆっくりと扉を開ける。。
カランコロン、
「しまった!!ドアを開けると音がなる鈴をつけていた。。。気付かれる。。」
お客が数名とカウンターにローランド。
誰もこちらを見る様子がない。
酒でベロンベロン状態。
あの人らしいな。。。
すぐさまドレアムは、ローランドの背後にせまり後頚部を棚にあったアイスピックで勢いよく刺した。
倒れ込むローランド。
この状況に把握出来ない客、
数秒後、店内が恐れ叫び声が鳴り響く。
ドレアムは、こんな時でも冷静に尚且
冷酷にアイスピックを刺す!刺す!!刺す!!
数えただけでも16回、首、頭、耳、刺しまくっていた。
恩があろうが根っからの殺し屋
いや、シリアルキラリストのドレアムにとって
此時が一番の絶頂であったことは、後で分かった。
ドレアムの股間はいきり立っていた。
恐ろしい。その光景を目の当たりにしているのは俺だけである。
お客は叫びながら走り去っていた。
「はぁはぁはぁ、少しイッチまった、、おぃ、咲夜、早く蹴り飛ばしてくれ、俺たちの透明がそろそろ切れそうだ」
俺は情を捨て、ボール状になったローランドを外に運び
あの日、あの時、ワールドカップで見た稲本の強烈シュートを思い出し
見様見真似で蹴り飛ばした。
すぶぅーーー!!!
俺の目は悪いがそんな俺でもわかる。
遥か彼方へローランドは、飛び消えていった。。
事を済ませ店内の方へ戻ると
ドレアムは棚にならぶ酒を店内で破壊しはじめた。
興奮が冷めなくて根本からの可笑しい所の発作が出たのか??
おぃ!もう言いだろ!!急ごう!!
異様な場面に耐えきれず初めて俺はドレアムに意見をした。
ドレアムは不敵な笑みを浮かべながら、THEクラブスプチューバのマッチをポケットから取り出し
火を付け飛び散った酒の中に投げ込んだ。
見る見る内に店内すべてが轟々と燃えている。
「ボールの姿になってまた、デスペラーダへ戻るぞ。証拠は全て燃やし尽くした。」
そう言う意図で燃やしたのか。。
にしても俺はこいつと同じ血の繋がりがあるのか信じられないぐらいに
スプチューバでのドレアムの行動は狂気じみていた。
無心でデスペラーダへ移動した。