せいきまつなしゃべり

このブログは、社会から遮断された生活を送ってきたアウタサイダー達へ送る 厳しさや社会での生き方のノウハウを愚民である私がレクチャーする日記です。今日も明日も割り箸の一本でカレーライスを食べたいです。そんな生活が出来ているあなたはどうぞこのブログからは回れ右してください。肉体労働者、SNS皆無者、チーマー、カラーギャング、砂糖と塩の区別がつかない若者達へ送るレクイエムです。

憎しみの果て 6話

ワキガマンのスマホに送った父親のふざけたLINEの既読がついた為

不審に思った両親は、葬式場へ今から行きます

とだけ言っていた。

 

よっぽど焦ったのか言葉足らずにこちらに向かってきている。

 

坊主としてワキガマンが、私が見てしまいました。

と言えば済む話

 

だが、いくら坊主の身体をかりても

脳みそ、中身はワキガマンの御霊

両親を前にすると

復讐のじっくりコースを中断することになる

 

すぐさま鈍器で殴ってしまいそう。

 

その前に血だらけでなんの変哲も無く動く坊主に

違和感を感じられ

勘ぐられ間借りしている事がバレるかもしれない。

 

どうせ復讐するのならバレても大丈夫だろ?

 

甘い、

 

こいつらには、俺なりの報復プランがある。

 

こいつらを始末してしまったら

その他の身内まで辿りつける手段がなくなる。

 

今は、まだ泳がせておくことにしよう。

 

と、ワキボウズは

両親が訪れる前にお供物のカブラの中身をくり抜き

応急処置として急いで頭に被って

葬式屋から逃げる事にした。

 

逃げると行っても車が近くにあれど

運転などしたことがない。

 

葬式屋に置いたあった自転車で俺は、ひたすら

どこへ向かったら遠ざかれるかもわからないが

必死にペダルを漕いだ

 

まるで、下校中に失恋してしまい一方的な愛を振りまいていたことに対する恥ずかしさや青春の苦さを払拭させるかのごとく

必死にペダルを漕いだ。

商店街や人通りの処はあえて避けず

ひたすら漕いで漕いで屁こいてこきまくって

走った。

 

 

頭にカブラを被り

服装は着物(坊主の)

足元は藁草履

片手には木魚を叩く棒

 

町中ですれ違うと確実に捕まる条件であるが

ワキボウズには、捕まらない理由があった。

 

それは、なぜかって

 

今は、11月

ハロウィンが賑わってる時期であった。

 

坊主のコスプレをしたカブラ男が自転車を漕いでいる

たったそれだけの情報にしてくれる

ハロウィンは、

この先何年ハロウィンを迎えようが一番

ウキウキで楽しい事は今日以外ないだろ。

 

俺が町一番のコスプレイヤーいや

モノホンの殺人 坊主であった。

 

ワキガマンは、まだ誰も人を殺していません。

ですが、町中のハロウィンムードにまたも

感情が高ぶって調子のっています。

盛りグセが昔からあるこの子は、

中1の時に両親が買ってくれた新聞紙が

嬉しくてアラジンの如く魔法の絨毯代わりにして

空を飛ぶ真似をしてたら

 

ちょっと空中に浮いたねん!

 

と既に森グセのセンスが身についていました。

 

とどこからかワキガマンに語りかえています。

 

両親が葬式屋に来たか来てないか

なんて、誰も分からず。

 

ワキガマンは、葬式屋から出発して

かれこれ2時間弱、自転車を漕いでいたため

足に力が入らず

商店街で自転車ごと倒れ込んでしまった。

 

 

「おぃ!兄ちゃん!!」

「こいつ聞こえてんのか?」

「カブラ被ってなんのコスプレ?」

「取り敢えず隅に置いとけ」

 

と商店街で賑わっているハロウィンキッズ達の側で倒れてしまっていたワキガマンは、

片隅に自転車ごと身体を数人の人間で担がれ

投げ落としされていた。

 

ワキガマンは、よほど疲労していのか

中々目覚めない。

 

御霊は成仏してしまったのかな?

 

4時間後、ワキボウズは

見知らぬ男の声で目覚めた。

 

「そのコスプレ活かしてんねバチバチ

と見知らぬ男は耳元で呟いた。

 

 

俺は、目覚めると目の前には

ハロウィンだって言うのにコスプレもしていない

小汚い格好の男が立っていた。

 

小汚男は、ワキボウズに

「アンタここで何してたの?ずっと寝てたっしょ、そのカブラどこで売ってんの?ねぇ」

どうやら小汚男は、ワキボウズの事を1時間ぐらい見ていたそうだ。

 

もうちょい早めに起こせ。

 

ワキボウズは、そんなことはどうでもよく

 

死んでから初めて人と会話をした事が

嬉しくて

「カブラは、拾った俺は、ボウズ」

 

と文法もめちゃくちゃな発言をした。

 

あんたぶりってるっしょ!?うける~

なにやら小汚男がゲラゲラと下品に笑っている。

 

こんな何も考えて無さそうなやつなら

俺のこれまでの経緯を伝え

なんなら、一緒に仇討ちもしてくれるんじゃないか

とワキボウズは感じていた。

 

俺は、冷静さを取り戻し

願わくばひとまず家にでも連れていってくれ

と話すと

小汚男は、即答で「あたりまえっしょ」

とワキボウズの肩を抱きながら歩き始めた。

 

これは、確実に仲間になりそう。

イケる。

俺はそう噛み締めた。

 

肩を抱かれ歩き出した二人は商店街を後にし

見知らぬ小汚男のおウチへ向かった。

 

 

次回!小汚男の正体は!!??