俺は昔イエスと民から崇められ
用無しとなれば今は十字架に縛られ
生きるも死ぬも無い途方に年月が過ぎるのを待つだけの日々を送っている。
今日もまた小さな子供が遊び半分でこぶし大の石ころを俺に投げつける。
痛みや涙を流すことは遠の昔に捨て去った
というよりも何も感じなくなった。
反応が乏しく
「つまんねぇーの」と。
ボソリ
また1人子供が増え俺に呟いた。
すまない
遊び相手にもならなくて
前田も出たり入ったりとあれからずっとブラウン管テレビから俺を見ている。
だが、俺は誰も恨んだり憎しみをもつことは無かった。
聖書にも乗っていた。
「人の憎しみは悲しみにから訪れる」
それを信じていた。
今日はいつもより、街が賑やか
遠くから聞こえ近づくサンバ隊のリズム
確か、俺が2年前に割り箸で滅多刺しにした
サンバ隊
眼前に現れたのだ。。
おわり