タイニーベルト
それは、見える人にだけ見える
世界に一つしかない幻のベルト。
タイニーベルト
手にした人は、この世にまだ居ない。
存在すらしないのでは？
とも、言われる始末。
タイニーベルトの噂だけが、独り歩きしている。
それももう
うんぜんねんまえからの言い伝え
タイニーベルト
クリスマスプレゼント何が良い？
聞かれた。
「たいにーべると」
ちっちゃい子供でも知っている
名前だけのベルト
誰もどーいうものか現物を見たことがない。
それがタイニーベルト。
今日は12月24日
クリスマスイブ、家族団らん
夜はクリスマスケーキや豪華なディナーを食べで
寝たら次の日、クリスマス。
朝起きたら枕元にタイニーベルト。
外は寒い。
街の灯りがいつもより長く灯っている。
今日はここで一晩過ごそう。
ケンタッキーフライドチキンのお店の繁盛とは裏腹に
店のダクトに体を寄せて
暖をとる41歳の私。
街はイルミネーション
ジングル・ベルがなるんだね。
私がサンタなら
誰も見たことがない
手にした事のないタイニーベルトを
手作りして
ちっちゃい子供たちにプレゼントして回るのに
家が無い私は、今日もダクトを抱いてねる。
ポケットに入れている小銭をすりすりさせると
摩擦で微量の熱線が感じれる。
今年の冬も寒い
毎年、寒い。
タイニーベルトか。。。
夢はスチュワーデス！！だからパパ！
今年は、飛行機に私も乗せてね！！
今のうちに練習しておきたいの！！
ウフフフ
私にも昔、娘が居た。
街中の子供を見ると
クリスマスの時期になると
ふと、思い出す。
娘のクリスマスプレゼントのお願い。
私は、パイロットをしていた。
昔は、、
今とは全く違う生き方
生活があったんだ。
娘の願いも叶えられず。
タイニーベルトがあれば、娘の願いを叶えられるのか？
なんて分からない。
思い出しても悲しくなるだけ
さて、寝よう。
